レオン ラッセル公演をみて


音楽が遠くに聞こえた

結局そういうことだと思う
アンコール前に会場から逃げるように去る あの時の寂しさといったらどうだろう
そういうスレた態度は業界風であり とてもとても嫌いなのだが
今回はそうせざるを得なかった
一人取り残された気分だ

生ピアノを使わない その代用としてのエレピも濁った音だったし
バンドがきちんと練習していないことは誰が見ても明らかだった
これを演奏とは僕は呼ばない
かつてそこに描かれていた美しい音楽をなぞっているだけだ
気取った会場からすごく雑に鳴っている音楽
レオンという名声だけが宙ぶらりんになっている

レオン ラッセルが好きだった
バニーさんほどではないにせよ 好きだった
この人の声に宿っている官能的な響きは
彼の歌ではないけれど いろいろな場所やいろいろな時の淵に届いていった
「マジック ミラー」も「マンハッタン セレナーデ」も「レディ ブルー」も
レオンの歌で歌われることで息をして 初めての鼓動をする そんな音楽だった




* 上記は、HN「オビン」さん が某bbsに書込みされた文章です。
 オビンさんは、今回の来日に先駆けてレオン・ラッセルにもインタビューなさった音楽評論家です。




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